産後ケアを受けに来ていた初産のお母さんから「私と一緒に入院していた方が、赤ちゃんのお尻から少量の出血があり、病気じゃないかと心配し泣いていたけど何でしょうか?」と聞かれた。
新生児月経のことは、女の子を育てたお母さんはご存じだと思いますが、意外に知られていないようです。
この月経は新生児の女の子において、赤ちゃんの約1%にみられると言われています。
出血は生後3~5日から始まり、5~7日間続きます。
大人の月経のように出血量は多くなく、粘液血性で糸を引くように少量出ている程度です。
この仕組みは、母親は妊娠すると月経が止まりますが、ホルモン(エストロゲン、プロゲステロン)の分泌は続き、血中濃度は分娩まで上昇を続けます。
そして分娩時、このホルモンは赤ちゃんの血液にも移行し大人の月経と同じ仕組みで起こり、これを新生児月経といいます。
出血が長く続くようでなければ、そのまま放置していて構いません。
ただし、尿道や肛門からの出血でないことを確認することです。
赤ちゃんって母親のお腹の中で、いろいろ神秘的なことが起こっているんですね。
【drop雑誌(令和6年4月号)・会津助産師の家 おひさま】より
今回のまとめ
- 新生児の女の子について、性器周り(お尻、オムツなど)に少量の出血がみられる場合は、新生児月経かもしれません。
- 新生児月経は、妊娠中にママの女性ホルモンが胎盤を通じてあかちゃんに移行することにより起こる生理的な現象のため、特に治療は必要ありません。
- この現象は生後3~5日から始まり、1週間ほどで自然となくなるので、まずはそのまま放置していて構いません。
- もし下記のような症状があったら、他の原因の可能性があるので、小児科や婦人科のお医者さんに診てもらいましょう。
- 出血が少量とはいえない
- 1週間を過ぎても出血が続いている
- 尿道や肛門から出血している
- 出血が増えてきた
- おりものが出ている
- 出血がみられたら、できるだけ頻繁にオムツを替えて、清潔な状態を保ってあげましょう。
今後も「会津助産師の家 おひさま」のベテラン助産師が、子育てのコツ・アドバイスをお届けします♪