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産むか産まないか、どちらかしかありません。

学校はどうするか、お金はあるのか、生活はどこで、又暮らしていけるのか、子育ては出来るのか等、相手とよく話し合い、信頼できる大人に相談して、どうしても産むことはダメだとなれば、人工妊娠中絶を考えなければならない。

悩んでいるうちに、胎児はどんどん大きくなり、病院を受診したら、すでに法律的に中絶可能な時期が過ぎていて、赤ちゃんを産んだ高校生が何人かいました

その事を通して、このような悲しい経験を予防する為の参考になればと思い書きます。

日本では原則として、人工妊娠中絶は禁止されているが、「母体保護法」によって経済的理由などにより母体の健康が著しく害される場合や、レイプ等によって妊娠した場合などは例外的に認められている。

最後にあった月経の初日を0週0日として数えはじめ、次の月経が来るであろう頃は、妊娠4週で妊娠2か月目に入っている。
中絶可能な時期は妊娠21週までで、初期中絶中期中絶がある。
12週からは、中期中絶となり、入院が必要になる。

また「死産届」の提出も必要で、中絶は原則として女性本人の意志だけでは認められず、相手の男性の同意も必要です。

「俺は無理」「親には言えない」「お金はない」という男性もいるし、出産後連絡のとれない男性もいる。
まるで他人事で、女性だけの問題ととらえている男性が多いのではないか。
男性も当事者なのです。

不安で辛く悲しい女性の気持ちに寄り添って支えていけるか、本当のパートナーの価値が問われるのです。

保護者の方へのお願いは、中絶を「赤ちゃんを殺す」という言葉で表現したり、性交渉を禁止するメッセージを伝えていると、中絶を選択しなければならないときに、相談できなくなる。
禁止するのではなく、つきあい方のあり方やトラブルが起こった時の対応等を話し合っていれば、気軽に相談すると思います。

そのような関係性を作っておくことです。

性の話はタブー視されてきましたが、今少しずつ変化してきています。
大人も子供も性の正しい知識を学び、人生の選択をしていくことが大切なのです。

【drop雑誌(令和6年7月号)・会津助産師の家 おひさま】より

今回のまとめ
  • 子供が妊娠してしまったら、”産む”か”産まない”かを決断するしかありません。
  • どうしようか悩まれると思いますが、次の理由により、できるだけ早く決断することが望ましいです。
    • 産まない場合は中絶することになるが、中絶手術を受けられる期間は”妊娠21週まで”と法律で決められている
      ※悩んでいるうちに上記の中絶可能期間が過ぎてしまうリスクがある
    • 妊娠12週までに行われる手術を初期中絶といい、妊娠12週以降に行われる手術を中期中絶という
    • 中期中絶からは入院が必要になり、身体への負担や費用の負担が大きくなる
    • 中絶手術は、早く行えば早く行うほど負担は軽くなる
  • 中絶手術を行う場合は、女性本人のほか相手男性の同意も必要になりますが、次のようなケースは相手の同意は要りません。
    • レイプ等の性暴力によって妊娠したとき
    • 相手男性と連絡がとれないとき
    • 相手が誰かわからないとき
  • 保護者の方に、次のことをお願いいたします。
    • 中絶を「赤ちゃんを殺す」という言葉で表現しない
    • 性交渉を禁止するメッセージを伝えない
    • 男性とのつきあい方やトラブルの際の対応等を日頃から十分に話し合い、いざという時に気軽に相談できる親子関係をつくっておく
      ※万が一、妊娠してしまった場合を想定し、事前に産む産まないとその対処法を決めておくと、もしもの時に落ち着いて行動できると思います。

今後も「会津助産師の家 おひさま」のベテラン助産師が、子育てのコツ・アドバイスをお届けします♪